不動産を相続したら?
相続人は絶対に不動産の名義変更の手続きをする必要があるのでしょうか?
相続による名義変更の登記は、法律上は、必ずその手続きを行わなければならない、
というわけではありません。
名義変更をしなくても、罰金等の罰則もありません。
では、名義変更をしなくても、まったく問題がないのでしょうか?
実は、まったく問題がないわけではありません。
相続したけど名義変更もせずに放置してある不動産、
というのは、普段は誰も使用していない不動産である可能性が高いと思います。
また、そのような不動産は、いずれは処分(売却、贈与など)を考えている物件だと思います。
しかし、不動産を処分するには、その前に、相続人への名義変更の手続きを済ませていなければなりません。
例えば、相続した不動産を売却する場合、その名義を相続人に移してからでないと、買主へ名義変更することができません。
そして、不動産の名義を相続人へ変更するには、相続人全員の協力が必要となります。
例えば、相続人があなたとそのご兄弟である場合、通常は、相続人同士全員がお互いのことを知っていますので、この時点では、不動産の相続方法について、ご兄弟全員で話し合うことは、特に問題はないかもしれません。
でも、もし、将来、あなたが亡くなってしまったらどうでしょうか?
他のご兄弟も亡くなってしまったらどうでしょうか?
あなたのお子様やその従兄弟にあたる世代が相続人となります。
さらに、時間が経ち、お子様の世代もお亡くなりになった場合、その次の世代が相続人となります。
ここまで来ると、相続人の人数は今よりも増えている上に、相続人同士が顔見知りでもなく、話し合える状態ではないかもしれません。
しかし、相続による不動産の名義変更には、相続人全員の協力が必要となります。
相続人同士が、話したことも、会ったこともない、という場合、協力し合うことは難しいでしょう。
相続人全員の協力が得られなければ、相続した不動産は処分することができず、ただ固定資産税を支払っているだけ、という状態になってしまいます・・・
以上のとおり、不動産の名義変更をしておかないと、法律上は問題がなくても、事実上、不動産を処分できなくなってしまうことがあります。
ですので、できるだけ早い段階で、相続による不動産の名義変更をしておくことをオススメします。